圧倒的スケールの大露天風呂

天狗の湯 きむら苑

公開日:

圧倒的スケールの大露天風呂

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天狗が出迎える宿

天狗の湯きむら苑は水上温泉の諏訪峡近くにある温泉宿。温泉街からやや離れた場所にあるため、街中とは違い緑に囲まれた静かな環境が保たれている。以前は築300年の木造の母屋があったが、老朽化のため建て替え。現在では、残された古い土蔵がその面影をかすかに留めている。

今回は水上で友人とラフティングを楽しむために「きむら苑」を利用した。水上に泊まるのなら、源泉かけ流しの温泉宿に泊まりたい。できれば塩素消毒をしていなければ尚更いい・・・とはいうものの、源泉かけ流しの宿はそう多いものではない。ましてや塩素消毒もない宿となると、さらに少なくなる。祈る気持ちでインターネットで探したところ、「天狗の湯きむら苑」を見つけ、予約をいれた。

ラフティングの前日、都内を昼前に出発。一路、関越道を水上に向かう。ゴールデンウィークといえど中日の平日とあって、車の数も多くはない。季節は春真っ盛り。高速から見える木々の緑も力強かったが、北へ進むにつれ、徐々に緑が弱々しくなってくる。二時間弱で水上に到着したが、ちょっと肌寒い。やはり東京より季節は一ヶ月程度遅れている感じがする。

諏訪峡に寄った後、初めて行く宿だけにナビにまかせ、走ること数分。温泉街とはちょっと離れた奥利根湯けむりライン沿いに「天狗の湯きむら苑」の看板を見つけた。「ちょっと古い宿かな?」というのが第一印象。まぁ温泉さえ良ければいいけど・・・と敷地を歩くと、新しい建物と古い土蔵が見えてきた。後で知ったが、新しい建物が建て替えた母屋。でも現在は宿泊用には使っていないようだ。

ちょっと昭和の香り漂うエントランスから宿に入ると、天狗のお出迎え・・・そう、ロビーにはたくさんの天狗のお面が飾られているのだ。でも、なぜ天狗にこだわっているのかというと、温泉が湧き出す場所の地名が「天狗下」といって、その昔、天狗が降り立った場所との言い伝えにちなむらしい。

しかし天狗以外の装飾は見当たらない。いたってシンプルな感じを受ける。昭和チックではあるが、レトロということではない。どのような表現が適切なのだろうか・・・しいていえば、飾り気はない公共の宿のような印象だろうか。チェックインをすると、今日の客は我々のみ。どうやら貸切状態らしい。

気ままに温泉三昧

宿の建物は三階建てだが、最上階三階にエントランスや食堂があり、客室は一階と二階、風呂(内風呂)は一階にある。どうやら高台の斜面に宿は建っているようだ。今日の部屋は二階、階段をくだり部屋へ案内される。部屋は落ち着いた感じの和室。思ったよりキレイな感じにホッとする。

耳を澄ますと、微かにせせらぎの音が聞こえてくる。窓から外の景色をみると、中庭には大きな露天風呂がある。そう、この宿のウリである露天風呂は建物から離れた中庭にあるのだ。俄然ヤル気が沸いてくる。荷物を置き、とりあえずお茶を飲む。そそくさと浴衣に着替え、温泉タイムスタート!

風呂は内風呂と露天風呂があり、ともに塩素消毒のない源泉100%かけ流し。無色透明でクセのないいい温泉である。最初は内風呂でゆっくり温泉を堪能する。温度は適温。湯口からはジャブジャブと源泉が注がれている。飾り気の内風呂だが、温泉の湯質はすこぶるよい。
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存分に堪能した後は、露天風呂へ移動する。この露天風呂がこれまた広い。こんなことをいっては失礼だが、宿の規模を考えたら過分すぎるほどのスケール。「過ぎたるは猶及ばざるが如し」何事も程々が肝心ということわざがあるが、露天風呂には当てはめちゃダメ。これぐらいあってもいい!

露天風呂は混浴になっていて、入口は別ながら中は一緒。幸か不幸か本日は貸切状態のため、何を気兼ねすることも気にすることもなし! 時間の許す限り、温泉三昧を楽しんだ。

そして、お待ちかねの夕食は嬉しい部屋出し。「上げ膳据え膳」一つの部屋で全てを完結するこのスタイルが一番贅沢に感じる。味わう料理は素朴さ漂う山の幸中心の田舎風会席料理。温泉宿の定番ともいえるお造りはあるが、そこはご愛敬。派手さはないが、なかなか美味い。何よりも焼き魚と天麩羅が冷めていないことが嬉しい。

食後休憩の後は、やはり温泉。というかテレビか温泉しかない。テレビを見るくらいなら温泉でボーとしていたい。暗い中、露天風呂に行って湯船でしばしの休息。ぬるめだから長湯できることが嬉しい。その後は内風呂へ移動し、まったりと温泉時間を過ごす。部屋に戻ったのは11時前。明日に備えて早く寝るか・・・。

温泉よければすべてよし!

そして朝、爽やかな風と涼やかな川のせせらぎを感じながら、至福の露天風呂タイム。あ~なんかラフティング面倒くさくなっちゃったなぁ・・・。

温泉に入れば腹も減る・・・朝食は食堂での提供。湯豆腐をはじめ、焼き鮭にとろろ、サラダなどの献立が並んでいる。今日はこれからラフティングもある。しっかり食べんとっ! 勝手な理屈を言い訳に、しっかりと胃の腑へ流し込む。素朴な定番メニューだが、朝食はこれでええんやっ!

歓楽的要素を残す水上温泉にあって、きむら苑は同じ水上温泉とは思えないほど、静かな環境にある。素朴で飾り立てのない施設だが、出会える温泉は一級品。内風呂の湯質のよさも素晴らしかったが、何より露天風呂が印象的。あれだけのスケールでの源泉かけ流し露天風呂はそうはない。料理や雰囲気もとても大切だが、温泉宿は温泉あっての物種。「温泉よければすべてよし!」温泉好きには堪らない宿である。

→ 源泉かけ流し温泉ガイド | 温泉新選組のページ: 天狗の湯 きむら苑

データ

住所:
群馬県利根郡みなかみ町小日向326
電話番号:
0278-72-5851
ホームページ:
天狗の湯 きむら苑
チェックイン:
15:00
チェックアウト:
10:00
宿泊料金:
14,850円~ [2名利用 1泊2食付]
立寄入浴:
露天風呂のみ / 10:00~17:00 [800円]
客室数:
和室 8
食事場所:
夕食 部屋出し / 朝食 著工藤
駐車場:
あり
主な泉質:
カルシウム・ナトリウム-硫酸塩温泉
鉱泉分類:
低張性弱アルカリ性温泉
温泉利用:
源泉100%かけ流し
浴場設備:
内風呂・混浴露天風呂
塩素消毒:
塩素消毒なし
アクセス:
【電車】
上越新幹線 上毛高原駅下車 水上駅行きリレーバス利用30分 (きむら苑下車と言えばOK)
または JR上越線 水上駅駅下車 タクシ-5分(徒歩25分)

【車】
関越自動車道 水上IC~国道291号~県道61号(5分)

天狗の湯 きむら苑

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